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JOURNAL

CRAFTSMANSHIP

ジョンストンズ オブ エルガンのカシミヤが特別である理由

始まりは繊維から

カシミヤはモンゴル、中国、アフガニスタンの草原で自然に育てられているカシミヤゴートの下腹部から丁寧に櫛ですき取られます。気温がマイナス30度以下になることもある厳しい冬の環境下で、カシミヤゴートは軽くて柔らかい下毛を生やします。それが春になって自然に浮き始めた頃にすき取られるのです。遊牧民にとってカシミヤは主な収入源であり、何百年もの歳月をかけて慎重に発展させてきた特有の遊牧生活を支えるものです。

高品質のカシミヤを選ぶ

すべてのカシミヤが同じというわけではなく、私たちは使用するカシミヤの品質に関して、信じられないほどのこだわりがあります。15種類の異なるカシミヤを調達し、それぞれが工程にもたらす特質を見て慎重に選ばれています。

ジョンストンズの品質基準は、この期待に応えられるサプライヤーを見つけるために相当な労力をかけなければならないということを意味します。関係のあるサプライヤーのほとんどは数十年にわたる取引実績があり、大衆向けの市場には供給を行っていません。

消費者が中国やモンゴルの大量生産工場で生産されることが多い低価格のカシミヤを購入するとき、大抵の場合、キメが荒かったり色が濃すぎたり、もしくは私たちの基準には太すぎたり短すぎたりする、品質の劣る繊維を買っていることが多いです。また、色を抜くために強い漂白が行われたカシミヤを購入している場合もあるかもしれません。通常、色が濃い繊維は安価なため、こういった工程を行うことでコストは抑えられますが、同時に繊維が傷んでしまいます。

店頭の棚に並べられると、こういった違いの多くは気づくのが難しくなります。繊維を漂白したり、処理後に柔軟剤を加えたりすることで、お店で製品に触った時には良いと思えるものでも、残念ながらそういった製品は家に持ち帰ってきても寿命が短いのです。

スコットランドの特別な水

スコットランドの上質なカシミヤやウール製品を作る技術の素晴らしさは、こういったデリケートな繊維を可能な限り優しく扱えることにあります。 つまり、可能な限り化学薬品を使用しないようにしており、この時点で私たちには明らかな強みがあります。スコッチウィスキーに独特の風味を与えている、弱アルカリ性の軟水と同じ水が製造工程の根底にあります。この水の軟度とアルカリ性の組み合わせは珍しいものであり、私たちはそれを安定した品質レベルで豊富に利用できるという幸運に恵まれています。

スコットランドのカシミヤは、世界のほかの地域で生産されているカシミヤに比べて、ここまで良質な水を使用することでより優しい処理が行えます。化学薬品がほとんど使われていないということは繊維の受けているダメージも低いということです。上質なスコットランド産のカシミヤ製品は、適切なお手入れをすれば一生ものであり、時間が経つにつれて美しさを増すという期待も高まります。ほかの地域では、工程の最後でカシミヤが柔らかくなるように人工的な処理が行われることが多く、繊維が多大な化学的ダメージを受けてしまうのですが、スコットランド産のカシミヤ製品はそれとは際立って対照的です。

カシミヤの生産工程

高速生産の工程は、生産効率もぐっと上がります。しかしながら繊維へのダメージも大きくなり、寿命の短い、耐久性の低い製品になってしまいます。私たちは最高品質のカシミヤの原毛を調達した以上、細心の注意を払ってカシミヤを扱いたいと考えています。私たちのベルト駆動の古いカーディングマシン(繊維を梳いて整える機械)はアンティークのように見えるかもしれませんが、繊維をとても優しく扱うことができます。工場で行われるすべての工程で、細心の技術を備えたマシンのすぐそばで、美しくて古い、木製の部品が使用された機械が動いています。染色、カーディング、紡績、織布、仕上げなどすべての工程において、できる限り優しく扱うという信念があります。

すべての生産を自社で行っていることには、大きなメリットがあります。工程の各段階で何が行われているのかを完全に把握できる上に、製品の仕上がりを調整したければ、すぐにもとの色に戻すこともできます。1851年に初めてカシミヤ製品を生産して以来、150年以上にわたり、すべての工程を自社で管理しています。上質なカシミヤを手掛けることに関して、これほどまでの長い経験を持ち各工程を管理しているメーカーはほかにありません。ジョンストンズ オブ エルガンではスタッフのうち100名を超える人々が、20年以上の経験を積んでいます。

何世代にもわたり受け継がれるハンドクラフト

エルガンとホーウィックにあるジョンストンズの工場を訪れる人々は、工程の多くが手作業で行われていることに驚きます。1つ1つの製品には24人以上の手がかかっており、各工程において、襟のプレスやフリンジの撚りの均一性、カシミヤストールの起毛具合など、わずかな違いにも気づくことができます。これは偶然の産物ではなく、ジョンストンズ オブ エルガンの従業員の完璧な技術と、美しい製品を作ることへの献身があるからこそのことなのです。

ジョンストンズ オブ エルガンではこういった技術を非常に真剣に受け止めており、英国のどの織物メーカーよりも多くの従業員を訓練しています。すでに100人の従業員が研修を修了しており、1人1人の従業員に継続して成長することが期待されています。技術は世代を越えて受け継がれてきましたが、次の世代にも同様に、もしくはそれ以上に熟練していくように取り組む必要があります。

上質なカシミヤの性質

私たちは自分たちが特別なものを作っていると信じています。世界最高品質の繊維は、衣服や服飾小物というよりも芸術作品と呼ぶにふさわしい、見事な製品を作ることができます。しかしながら私たちは、実用性というスコットランドの古き良き価値観も守っています。上質なカシミヤは信じられないほど暖かくて軽くて着心地がよく、様々なワードローブに馴染む汎用性があります。使い捨ての「ファストファッション」とは対極にあるものです。スコットランドのカシミヤ製品は世界最高品質である本物としての誇りを持っています。

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