ジョンストンズ オブ エルガン|johnstons of elgin

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グローバルスナップ 東京・京都 
225th Anniversary

ジョンストンズ オブ エルガンは今年、225周年を迎えました。
アニバーサリーイヤーの特別企画として、ジョンストンズ オブ エルガンのアイテムを身に纏った人々を被写体に世界各国でスナップ撮影を行いました。
日本では今期のシーズンヴィジュアルを撮影したフォトグラファー・山本正大氏がディレクション、撮影を担当。どういう場所でどのような人を撮るかに想いを巡らせた山本氏のインタビューとともに、日本の美しい風景、そしてその景色に映えるジョンストンズ オブ エルガンのコレクションをお楽しみください。

東京
四方章敬/スタイリスト

今回のお話をいただいて、まず考えたのは誰に出ていただくか、ということです。もちろん撮影場所も大事ですが、その人に出ていただく必然性があれば、おのずと良い撮影になると思いました。打ち合わせを重ね、人選にいちばん時間をかけたと思います。

スタイリストの四方章敬さんの名前は、最初に思い浮かびました。四方さんはメンズドレススタイリングのスペシャリストであり、ジョンストンズ オブ エルガンから別注でストールも出されています。ブランドとのつながりという意味でも最適の方だと思ったんです。

撮影場所は、ブランドイメージ、被写体とのバランスを考えました。
すでにヨーロッパ、アメリカではJonathan Daniel Pryce(GarconJon)さんディレクションの元、撮影が進んでおり、“ロンドン、ニューヨーク、パリで撮られた写真に続く”ということでしたので、東京らしさを出す必要があります。匿名的な場所で、ただ「いい感じ」の写真にしたくはなかったんです。
ただ、ステレオタイプでキッチュな東京では、ジョンストンズ オブ エルガンのブランドイメージから離れてしまいます。特定のイメージにとらわれず、私の思う東京の面白さ、とりわけ『和洋折衷』というキーワードを念頭に探しました。それが結果的に東京らしさを表現するのではないかと思ったからです。

いくつか場所を巡る中で、日本橋を通ったときにここはとても良いと思いました。ブランドに合うオーセンティックな造りの橋がありながら、頭上には首都高速の橋が。このアンビバレンスな雰囲気は東京ならではだと。歴史的に東京の起点となっていることも良い。ほかの撮影地を選ぶ基準となりました。

京都
吉岡更紗/染織家

江戸時代から続く「染司よしおか」六代目当主の吉岡更紗さんは、植物から取れる天然染料のみを使用され、日本の伝統色を守っています。ジョンストンズ オブ エルガン225周年の企画ということですので、同じように長い歴史を持つ、日本の染色職人に出ていただくことには意義があると思いましたし、双方に興味をもっていただけるのではないかと思いました。

伏見にある工房と「染司よしおか」直営店近隣の、白川通りで撮影をしました。偶然にもスコットランドから来日されていたブランドの方々も撮影に立ち会われ、天然染色についての話を熱心に聞かれていました。写真を撮影するという行為が、結果として異国の人々が繋がる媒介になることができたのは、大きな喜びでした。

今回は東京、京都ともにフィルムカメラを使用しました。
僕なりの敬意の表し方でもありますし、撮影時に緊張感が出ます。撮りながら決めるか、決めてから撮るか。枚数制限のあるフィルムでは後者の考え方になります。そういった、削ぎ落していく思考のプロセスが、モノ作りにはとても大切なのだと思います。今回拝見したお二人の仕事、そしてジョンストンズ オブ エルガンのプロダクトから、そんなことを感じました。

山本正大
1983年、広島生まれ。スタジオエビス入社後、フォトグラファーに師事。2014年にフリーランスとして独立。雑誌、広告を中心に活動。
@yamamoto_masahiro

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