
長年ジョンストンズ オブ エルガンのストールを愛用しているスタイリストの大草直子さん。
共に年月を歩んできた想い出のストールを、今では娘さんとシェアするなど、親子2世代で楽しんでいるそう。そんな、モダンで洗練されたジョンストンズの魅力を知る大草さんに、自身の着こなし方から、今おすすめしたいストールのスタイリング、セレクトの仕方を教えて頂きました。
世代を超えて愛用できるアイテム

2012年ぐらいから愛用していますが、はじめはストールにコート並みのお金をかけるっていう感覚が自分の中にはありませんでした。
マフラーとかストールってコーディネートの中で小物って言われるぐらいだから小さきものですよね。小物にこれだけお金をかけるんだって思ってドキドキしたのを覚えています。初めて購入したのは、赤のバッファローチェック柄のもの。もともと細かいチェックよりモダンでモードなチェックがすごく好きだったのと、大きいチェックは羽織ったときに遠目で見ても、すごく印象的なんですよね。今では娘が使っています。娘はロックな格好が多いから、レザーのジャケットにタイトなブラックデニム、ドクターマーチンに「このストール!」というのが、今の彼女のスタイルになっているみたい。
私はやや細身のデニムにパンプスをあわせ、その上にばさっと大きく羽織っていましたね。娘とは取り入れ方が全然違うけれど、世代が違ってもこうやって継いでいけるっていうのが、すごく尊いなと思っています。
時代に応じて自分らしい使い方ができる
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この本の表紙を選ぶとき、「一番私らしい」という理由で、このジョンストンズのストールを羽織った写真が選ばれました。
その時の私にとって、このストールは欠かせないアイテムでした。
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大判のストールは出かけるときだけに使うのではなくて、ソファーやベッドに置いておき、ちょっと寒いときに膝の上や肩にかけたりと、お家時間も暖かさと温もりを楽しみます。
上質なカシミヤを纏って幸福感を感じて

他のどのブランドよりもしっかりと、色が深く出ているところが好き。もっとチェックがぼんやりしているものもありますが、ここまでチェックがグッと引き立って再現されるのはジョンストンズの魅力だと思います。
そしてカシミヤの素材の上質さ。私が愛用しているストールも8年ぐらい使っているのに、全くへたれない。ふくよかな感じもこのブランドの良さだと思います。あとは、端の始末も好き。フリンジがもう少し太いだけで印象が全然変わり、ほっこりしてしまうんです。この豆もやしぐらいの太さ(笑)がモダンでちょうどいい。
あと、カシミヤやアルパカとか、ずっと使える天然素材は、土に帰っていくっていうことでもすごくサスティナブルですよね。お家にいたりとか半径3メートル以内にいる人を大事にしようっていう生活スタイルの中で、この素肌に与える柔らかさと優しさと豊さみたいなものは、今の日常を写しているものだと思います。
インスピレーションで気になるものを選ぶ
最初に購入するならば、絶対大判がおすすめです。色々な使い方ができるから。
2枚目3枚目だったら、マフラータイプのものを買って、パートナーだったり、子供とシェアしたりするのもいいですよね。「どうやって巻いたらいいんですか?」といつも聞かれるのですが、好きに巻いていいんです(笑)。私はいつも言うのですが、寒ければぴったり巻けばいいし、大きく見せたければ大きく巻けばいいし、バランス的にもっと小さくネックレスみたいに見せたければ小さく巻けばいい。
大胆に自由に使えるといいなあと思います。
女性の幸福感は首元のおしゃれでキマる
女の人の幸福感は、首回り、デコルテに露出する。だからそこに光沢があって、湿度が高く、柔らかで優しい暖かい空気を溜めてくれるカシミアを巻けば、その人自信をすごく幸福に見せてくれます。
WA56 / Grey Ground永遠のベーシックを娘からのインスパイヤでアップデート
コンバットブーツとレザーのパンツに、ちょっと白をのぞかせた、全身ブラックスタイル。ここにオーセンティックなチェックが加わるだけで、親しみやすさや、大人としての格や華やかさが備わります。昔はしなかっただろう格好も、娘にインスパイヤを受けてするように。ストールを綺麗にたたまず2回ぐらい捻って、小さく首元に巻くとチェックがバイヤスになってくるので、それがまた着こなしにリズムを生んでくれます。
WA56 / Rust色×色で着こなしにドラマをプラス
夕陽のようなカラーのストールはあえてモカブラウンにプラス。最近はマスクでリップも見えないから、ストールで顔色を明るく見せるのも効果的です。カラーで気持ちも前向きにポジティブに。大きく羽織って、色を着るイメージで合わせてみました。
WA16 / Light Flat Grey肌感を残して素材と透明感を際立たせる
カシミヤの毛足が長い今年らしいざっくりしたVネックニットは、本格的に寒くなってくると、一枚で着るには寒々しいし、Vネックを隠してしまうのはもったいない。だから、左右の長さをあえて揃えずラフに巻いて、デコルテをすこしのぞかせて。全身の明度が上がるカラーでまとめました。