ジョンストンズ オブ エルガン|johnstons of elgin

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ユナイテッドアローズが長年取り扱い続ける理由と、本国で別注したストールのこだわり。

ユナイテッドアローズが長年取り扱い続ける理由と、本国で別注したストールのこだわり。

〈ジョンストンズ オブ エルガン〉を取り扱うお店に、ブランドの魅力や今季のラインナップ、スタイリングのポイントなどを語っていただく企画。

第一回目は、不動の定番として長く取り扱いを続けてくださっている「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」。バイヤーとして活躍する豊永譲司さんは、今年の頭に〈ジョンストンズ オブ エルガン〉のファクトリーがあるスコットランドへ足を運び、その歴史の深さとモノづくりの姿勢に感銘を受けたそうです。



伝統を守りながら、進化を続けるブランド。

私がもともと担当していた「ディストリクト ユナイテッドアローズ」では〈ジョンストンズ オブ エルガン〉は展開していなかったのですが、「ユナイテッドアローズ」業態の方では長く取り扱っていましたのでブランド自体のことは知っていました。

はじめは英国らしい生真面目さがあり、クオリティに妥協を許さないトラディショナルなブランドという印象でしたが、オーセンティックなモノづくりながら今の気分の色柄表現が加わった製品があることを知り、伝統を進化させていく弊社と親和性の高いブランドだと思いました。だからこそ、長く取り扱いお店の定番としてあり続けているのだと改めて感じました。

今年の頭に実際にファクトリーのあるスコットランドのエルガンへ伺い、製品ができるまでの工程や職人さんの技術を目の当たりにしました。とくに感動したのは1797年から代々受け継がれてきたアーカイブブックです。タータンやツイードなど無数にある過去の色柄が収蔵されていて圧巻でした。それを眺めながら、向こうのデザイナーの方とも話をして今季の別注にふさわしい色柄を選びました。



タータンやツイードなど無数にある過去の色柄が収蔵されていて圧巻でした。

土地の利と一貫生産が生み出す、高いクオリティ。

〈ジョンストンズ オブ エルガン〉の製品には、触った瞬間に感じるクオリティの高さとピュアな魅力があります。イングランドにはハダースフィールドという有名な生地産地がありますが、魅力的な織物が生まれる場所に共通するのは水がきれいということです。〈ジョンストンズ オブ エルガン〉のファクトリーがある地域も非常に水がきれいなので、製造工程に良質な水をふんだんに使えることで素晴らしい質感の生地を生み出せるのだと思います。

また、紡績から仕上げまで含めて一貫で生産できるというのは、ほかにはない強みだと思います。一貫生産により各工程において高いクオリティをキープすることができるので、長い歴史の中で品質を落とさずに、良い製品を作り続けることができるのではないでしょうか。



土地の利と一貫生産が生み出す、高いクオリティ。

お客様想いのこだわりで、不動の定番アイテムに。

「ユナイテッドアローズ」において〈ジョンストンズ オブ エルガン〉を取り扱わないということは考えられません。そのくらいお店の定番商品として、毎シーズンお客様から好評をいただいています。ファッションの傾向として、男性の場合はストールを主役にするというよりコーディネートに馴染ませて使う方が多いので、弊社の場合は柄ものの配色数を多くても3色に留めています。原色のような色というよりは、スタイルに取り入れやすいやわらかい中間色が多いかもしれません。

あとは、2014年頃から取り入れている2プライ(二本の糸を撚り合わせること)のカシミヤを使用しています。一般的にカシミヤのマフラーといえば、やわらかくてしなやかな印象が強いと思いますが、弊社の場合はスーツやドレッシーなスタイルのお客様のことも考え、あえて少し硬さを残すようにこだわっています。使っていくうちに硬さがなじんでやわらかくなっていく感覚をぜひ体感していただきたいです。



  • 長い時期に対応できる、現代的なサイジング。    
  • 長い時期に対応できる、現代的なサイジング。

    昨年はウールカシミヤのものも扱っていたのですが、今季はすべてカシミヤ100%で揃えました。近年は気候の変化もあり12月頃になってようやくストールの出番になることも少なくはありません。そう考えた時に、寒い時期にしか使えない大判のものや、長いものよりも、たとえばTシャツや半袖ニットの上に軽く巻けるような方が良いと思いました。
    ですので、今季は定番モデルWA57の190cm×35cmよりも少し長さを短くした170cm×35cmにしています。「ユナイテッドアローズ」で扱うストールの中心的なアイテムなので、極端にトレンドに寄った別注はしないのですが、毎年、時代に合わせて微々たるところを調整しながら展開しています。

この二枚に関してはほかのものとは毛色が違い、太い糸で織っています。太番手の多本取り(2本以上の糸を一緒に織ること)、ツイルで、柄の出方がクラシカルに見えるのが新鮮ですよね。



  • スタイリングを引き立てる、色柄選びが大切。
  • ネクタイと同様にストールに入っている色から一色を選び、そのカラーでまとめることです

スタイリングを引き立てる、色柄選びが大切。

王道のスタイリングは、ネクタイと同様にストールに入っている色から一色を選び、そのカラーでまとめることです。基本ではありますが、なんだかんだ一番素敵に見える着こなしのコツだと思います。あとは、柄ものと無地で使い方が変わります。

たとえば洋服が柄物の場合は、シックな単色のストールを選ぶとコーディネートがしまって見えます。逆に洋服が無地の場合は、柄ものでアクセントにするのも良いです。モノトーンのスタイルに、一点明るいイエローのようなストールを取り入れるというのもエキセントリックでかっこいいですよね。

巻き方にも色々とありますが、個人的にはサラッと巻いた方がかっこいいと思います。複雑な巻き方よりも、輪を作って通すくらいのシンプルな巻き方がおすすめです。

  • ユナイテッドアローズ バイヤー

    豊永 譲司さん

    2004年にアルバイトとして「ユナイテッドアローズ」に入る。その後、正式に社員となり入社。2010年より「ディストリクト ユナイテッドアローズ」のアシスタントバイヤーを務める。現在同社の上級顧問およびクリエイティブディレクションを担当する栗野宏文氏に同行し、国内外をバイイングで飛び回る。2013年からは、「ユナイテッドアローズ」業態のバイヤーとして活躍中。モットーは「今」の気持ちを大切に時代の半歩先を提案すること。

Photo Yoko Tagawa Text K-suke Matsuda(RECKLESS)

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