CRAFTSMANSHIP
ジョンストンズ オブ エルガンのクラフトマンシップ
繊維原料がジョンストンズ オブ エルガンの仕上げる贅沢な製品になるまでにはおよそ30の異なる工程があります。ジョンストンズ オブ エルガンのカシミヤ、メリノ、ラムウール、ビキューナの生産は、何世紀にもわたる革新に基づいた職人の成せる技なのです。
ジョンストンズ オブ エルガンの熟練した職人たちは、繊維原料がショールームのフロアに置かれる完璧に仕上がった製品になるまで、1つ1つの糸、撚り、毛糸、そして縫い目に至るまでの全てに誇りを持っています。染色、混紡、梳毛、紡績、織り、編み、起毛、裁断、折り加工まで、全てがスコットランドの中心にあるジョンストンズ オブ エルガンの所有する工場で行われています。
ジョンストンズ オブ エルガンの製品は、最高級の天然繊維のみを使用して作られています。モンゴル産と中国産のカシミヤ、そしてオーストラリア産のメリノウールは愛情を込めて育てられており、その際立つ品質と耐久性が常に保証されています。
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カシミヤ繊維
カシミヤは世界で最高級の最も贅沢な天然繊維の1つです。究極の柔らかさと暖かさ、美しい光沢のある性質で知られています。極細で弾力性のある繊維はカシミヤゴートの下腹部から採取されます。
夏は40度以上にまで上がり冬はマイナス40度以下にまで下がるという年間を通じて激しく変動する気温に適応するため、カシミヤゴートには美しい、綿毛のような下毛が生えます。
カシミヤ繊維は天然の状態で縮れており、製造工程で繊維が絡み合って紡がれることで、とても肌触りのよい繊細で軽量な織物を生み出します。
加工されたあともカシミヤの毛糸には弾力性があり、究極の暖かさを持ちながらも繊細な肌触りのよい柔らかさのあるカシミヤは、ジョンストンズ オブ エルガンの生み出す最高に贅沢な製品の素材として最適な繊維です。
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メリノウール
メリノウールは年間を通してメリノ種の羊に生える、生物分解可能で、完全に再生可能、持続可能な天然繊維です。メリノ種の羊は毎年新しい羊毛を生やします。
メリノウールの繊維は非常に細く、従来のごわごわしがちなウールの繊維よりもはるかにしなやかな、柔らかくて優しい肌触りです。
合成繊維とは異なり、メリノウールは体温の変化に反応し、寒い気候のもとでは暖かく、暑い気候のもとでは涼しくいられます。
ジョンストンズ オブ エルガンの上質なメリノウール製品はあらゆる気候に適しており、手触りや身にまとったときの着心地のよさが格別で、着る人の体形にフィットします。
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ラムウール
ラムウールは仔羊の初めての剪毛で採れる繊維で、あらゆる種類のウールの中で最高の品質を誇ります。柔らかくて軽く保温性も高いため、ニットウェアや毛布、服飾小物にもぴったりの繊維です。
繊維の特別な縮れが空気を含んで熱を閉じ込める一方で、ウールの表面の性質により撥水性があります。合成繊維とは違ってラムウールは通気性があり体温の変化に反応して暖かさや涼しさを保ちます。
ラムウールはまた、性質上低刺激でダニにも強く、アレルギーや喘息をお持ちの方にとって理想的な選択です。
ラムウール繊維の直径は成羊のウール繊維よりもはるかに細く、繊維の細さは柔らかさにつながります。美しく柔らかいラムウール繊維を紡いで作られた最高の毛糸は、ジョンストンズ オブ エルガンのクラシックなニットウェアコレクションや、世界的に有名な服飾小物などに使用されます。
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ビキューナ
現存する最も細い天然繊維。ビキューナは1848年からジョンストンズ オブ エルガンのストーリーの一部であり続けています。ヨーロッパにビキューナ繊維を持ち込んだ最初の会社の1つであるジョンストンズ オブ エルガンには、1851年のロンドン万国博覧会においてビキューナのショールでメダルが授与されています。
DYEING/染色
ジョンストンズ オブ エルガンの繊維の染色方法は4種類あります。自然のままの状態、紡いで毛糸になった状態、織って布になった状態での染色。そして少量の染色が必要な場合のカセ染めです。
熱心な技術者たちは、何年ものあいだ絶え間なく、ジョンストンズ オブ エルガンを象徴する色の配合を各原料の特色に合わせて、完璧なものにすることに力を注いできました。
現在ジョンストンズ オブ エルガンが使っている染料の中には1856年に開発されたものもあります。ジョンストンズ オブ エルガンのカラーライブラリーには淡く柔らかい色から強く鮮やかな色合いまで約6500種類の色合いがあります。
人間の髪と同様に、繊維原料は化学的な染料プロセスではフェルトのように、もつれた状態になることがあります。繊維をほどいて梳くことができるようにするため、スパイクローラーを使用して繊維を広げてほぐし、この後の工程で繊維を保護するため、軽いオイルコーティングを施します。
BLENDING・CARDING・SPINNING/梳き・紡績
紡がれる糸は、色の異なる同じ繊維で作られることもあれば、カシミヤとメリノ、カシミヤとシルクなど、異なる種類の繊維で作られることもあります。
様々な色や種類のものを贅沢に組み合わせ、ブレンドされた繊維は、その後、カーディングマシンに投入されます。この機械は巨大な櫛のようなもので、繊維を撚ることができるようにまっすぐにします。
梳き工程では、連なる蜘蛛の巣のような繊維が個々のロービングというリボン状のものになります。これは昔から変わらずに行われている工程で、1868年にジェームズ・ジョンストンがエルガンの工場のために購入したカーディングマシンの1つが1993年に至るまで100年以上順調に稼働していたほどです。
その後、ロービングは紡績されることで糸になります。撚ることで繊維がらせん上にねじれ、強度が増すことで、織ることができるようになるのです。あらかじめ設定した強度でロービングを引っ張ることで、糸の太さが決定します。
また、カーディングと紡績の工程を通して、定期的に手作業で糸の品質・形状・均一性を確認しています。
WEAVING/織り
織り工程は、模様の縦糸を配置するところから始まります。縦糸は、布の上から下に向かって垂直に走る糸で構成されています。
縦糸の本数は、糸の細さや、生地の密度や幅によって変わります。
縦糸の準備ができたら、円形の梁に巻かれ、織機に運ばれて織られます。
次に横糸を配置していきます。織るときの色や模様、デザインはジョンストンズ オブ エルガンの情熱的なデザイナーチームによって事前に決定されます。デザイナーたちはスコットランドの風景や伝統から果てのないインスピレーションを得ています。
ジョンストンズ オブ エルガンにはドビー織機とジャカード織機の2種類の異なる織機があります。ドビー織機で織るのは四角形のモチーフやチェック柄、ストライプ柄などのジョンストンズ オブ エルガンの象徴的なスタイルです。一方でジャカード織機ではより複雑な模様を作ることができます。
FINISHING/仕上げ
織り上がった生地はまだ目が荒く仕上げが必要となります。生地を上質な完成品に仕上げるまでには多くの工程があり、その多くは何百年ものあいだ変わらずに行われています。
まず、スコットランドで最も柔らかい自然の軟水を使って洗いをかけ、余分な汚れを取り除きます。
汚れを落とすことで製造工程において繊維を守るために塗られたオイルが落ち、縮充することで生地が縮み、厚みが増します。そのあとに、幅出し機のローラーの上を通過させて乾燥させます。
最終の用途に応じて、最終検品前の剪毛や起毛、プレスなど、さらに仕上げの工程が行われることもあります。それがグローブでもスカーフでも、プルオーバーのセーターでも、1つ1つが永く使えるように作られています。
起毛の工程では、カシミヤ以外の製品は非常に軟らかい金属製ブラシによって起毛されます。
カシミヤ製品のみチーゼルという植物のとげのある頭花を使用した起毛機が使われ、これによりカシミヤ独特の流れるような起毛と、よりしなやかな風合いを出すことができます。
植物を使用する起毛技術は創業当時とまったく変わらぬもので、技術革新が進む現在においてもそれに代わる物は見つけることができません。
その後、カット、最終プレス、たたみ、包装をへて最終検品され倉庫で保管されます。
倉庫に保管されたマフラー、ストール、ラグは出荷直前にオーダーに応じた刺繍やラベル付けの後、出荷されます。
KNITTING/編み
ニットウェアはカシミヤニットウェア産業の心臓部であるホーウィックの自社工場で生産されます。
全てのニットウェアはエルガンで自社生産された糸を使用しています。
ジョンストンズ オブ エルガンのカシミヤニットウェアは最高のフィット感を持つように工夫され、裾リブ、袖リブ、前身ごろ、後ろ見ごろ、袖、襟、ストラップなどの各パーツが、異なった専用の機械で必要とされるテンションをもって編まれていきます。
その後、編み上げられた各パーツはワンステッチずつ技術者によりリンキングされ、補強が必要な部分にかんぬき止めのステッチが施され8割完成されたニットウェアになります。
その後、ホーウィックに流れるティビオット川の軟水を使用し慎重に洗われ、不純物や余計な油分を取り除き、カシミヤ特有の柔らかい風合いを出していきます。
最初のプレス工程の後、ボタンホール、ボタン付け、ラベル付けなどの最終工程をへて最終プレス、検品され倉庫に保管されます。